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はなとぶんの時間

【ふたりといた時間】第41話:離れても、そばに

ぶんは、あれからもずっと、静かだった。いつものようにソファで丸くなり、押入れにこもって昼寝をし、ごはんの時間には「にゃあ」と小さな声で私を呼んだ。ぶんとふたりの暮らしにも、少しずつリズムが生まれていた。確かに“ひとり”になったはずなのに、そ...
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【ふたりといた時間】第40話:ぶん、ひとりになる

はながいなくなって、今日で何日が過ぎただろう。部屋の空気は変わらないのに、胸の奥にぽっかりと、穴が空いたような気がしていた。でも——ぶんは、まるで何も変わらなかった。いつも通りに目を覚まし、ごはんを食べて、毛づくろいをして、私のところに甘え...
はなとぶんの時間

【ふたりといた時間】第39話:小さな息の終わり

はなの小さな体を、あの人が抱きしめている。泣きじゃくるように、喉を詰まらせながら——『はな。はなと過ごせて、本当に幸せだった。ありがとう。楽しかったよ。出会ってくれて、本当にありがとう……はなぁ……!』“はな”と何度も、何度も呼びかけて、崩...
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【ふたりといた時間】第38話:初めて聞いた声

玄関のドアを開けた瞬間、私は靴を脱ぐ間もなく、はなのもとへ向かっていた。こたつの隅。奥まった、誰の手も届きにくいその場所に、はなはぐったりとスフィンクス座りしていた。まるで、そこだけ空気の流れが止まっているように——静かに、ただそこにいた。...